【この記事はnoteから転記したものです】
わが敬愛する内田百閒先生のホロスコープ。なぜかおおよその出生時間がわかっているという。ずいぶん前に調べたのでなぜかは忘れてしまいました。エッセイにそういう話が出てきたんだっけか。
でもアセンダントしし座というのは納得できます。ひん曲がった口に睨みつける双眸。怒れる獅子そのものです。

内田百閒の略歴
1889年岡山県生まれ。
1911年、22歳のときに夏目漱石の門下生となる。
1912年、23歳のときに最初の結婚。
1916年、27歳のときに陸軍士官学校ドイツ語教授に就任。
1920年、31歳のときに法政大学のドイツ語の教授に就任。
1922年、33歳のときに代表作『冥途』を刊行。
1925年、36歳のときに家族と別居。
1933年、44歳のときに『百鬼園随筆』を刊行、ベストセラーとる。
1934年、45歳のときに法政騒動を機に教授を辞任。執筆業に専念する。
1945年、56歳のときに東京大空襲で自宅を失い、隣家の掘っ建て小屋に引っ越す。
1950年、61歳のときに大阪へ旅行し、『阿房列車』シリーズを書き始める。
1959年、70歳のときに小説『百鬼園随筆』の連載開始。以後死の前年まで続ける。
1967年、78歳のときに「イヤダカラ、イヤダ」と芸術院会員への推薦を断る。
1971年、82歳のときに老衰で死去。
頑固、偏屈でわがまま。無愛想で官僚趣味。位階叙勲、規則秩序を好む。頑なに旧仮名遣いを用いた。
ユーモアのセンス。お酒が大好き。琴、猫、飛行機、鉄道を愛する。
父の死に伴い実家の家業が没落したのち、金銭的には生涯恵まれなかったとのこと。
Wikipediaを参照しました。
水星の支配
アセンダントの支配星太陽は、冥王星・海王星・火星・月とふたご座10ハウスでステリウム(3つ以上の惑星が固まっていること)を作っています。
さらにステリウムから少し離れた場所に、ふたご座を支配する水星がしっかりふたご座に入っています。
(冥王星は百間先生の生まれた時代にはまだ発見されておらず、41歳の時に発見されました。)
この水星が2ハウス(おとめ座)と10ハウスのステリウム惑星群を支配しているので、とにかく話すこと、書くことで生活することになります。
ただ社会的名声、肩書きの10ハウスにこれだけ惑星が集まっているのに、2ハウスにはひとつも惑星がありません。これは文筆家として後世に名を残すほどの名作を多数残したもにかかわらず、お金には始終苦労していたというエピソードを裏付けるかのようです。収入は少なくなかったようですが、収入に見合わない支出により常に困窮していました。5ハウスの木星がこの放逸な支出を象徴しています。5ハウスは発散する部屋、木星はそれを助長します。
百間先生の貧乏話はいろんなエッセイに残されています。借金に首が回らないありさまを飄々と書いているのが面白いんですが、そのひとごとのような態度も風のサインのふたご座らしいです。
百間先生のホロスコープで大変重要な役割を担っている水星の神さま、ヘルメスは、羽が生えた靴を履いていて、神出鬼没、いろんなところへ出かけていきます。百間先生の人気のエッセイシリーズ『阿呆列車』で、「何にも用がないけれど、旅に出ようと思う」とカバンひとつで出かけていくのはいかにもヘルメス的です。それもひとりではなく、一応お供に弟子で国鉄職員だったヒマラヤ山系を連れていくのがふたご座らしい。相手がいないと話ができません。
この水星は太陽を通して12ハウスのしし座土星、5ハウスのやぎ座木星も支配しています。水星の支配を受けていないのは金星と天王星だけです。
- 大学のドイツ語教授
この仕事には、土星の支配するやぎ座の木星、9ハウスのおうし座金星、3ハウスのてんびん座天王星と10ハウス火星、12ハウス土星の小三角が強く働いているようです。
というのも木星と土星というのは、規律のなかで資質を伸ばす教師、教育として表現されやす組み合わせだから。
それに大学や外国語を示す9ハウスに調和の星、金星があり、反対側の技能の部屋、3ハウスには海外との親和性を示す天王星があります。天王星はてんびん座で9ハウス金星の支配を受けているので、やはり外国語のセンスとして現れやすいのでしょう。
この金星は水星とサイン違いの60度関係にあり、言葉におうし座の確かさときらめきが備わっています。
- 30代、作家、随筆家として人気を博す
金星、木星、天王星に加えて、さらに10ハウスの冥王星・海王星・太陽・火星・月のステリウムが花開いた結果が作家、随筆家としてのキャリアでしょう。
満月に近づく月と太陽の「仕上げに向かう力」、天王星・土星・火星の小三角に宿る「感性を現実に落とし込む力」によって、冥王星・海王星ふたご座世代が共有していたイメージを多くの作品を生み出していったストーリーが浮かび上がります。
冥王星と海王星が重なる世代
1888−1894年は冥王星と海王星がふたご座で重なる世代。
『冥途』をはじめ、百間作品には夢の世界がいつの間にかあの世につながっていくというものが多いです。かといって情念のねっとりした感じはなくて、背筋を風が通っていくような怖さはまさにふたご座冥王星・海王星的です。素晴らしいとしか言いようがありません。
同世代の作家、芥川龍之介はこの冥王星・海王星にうお太陽とうお水星がスクエアです。また百間と親交の深い箏曲家の宮城道雄は冥王星・海王星におひつじ太陽がセクスタイル(60度)、うお金星がスクエア(90度)、みずがめ火星がトライン(120度)でした。
このちくま文庫は水彩画家、安野光雅(あんのみつまさ)さんの表紙のアンソロジーでお気に入りです。
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