ニートと仏道とハッカーの親和性

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昨日、phaさんの『ニートの歩きかた』を読了。これを読んで、ニート界と出家界は親和性が高いことに思い至りました。

というのも、pha さんの発言がほぼ出家者の境地だったから。

 僕がここで本を書いて見知らぬ誰かに語りかけているというのも、たまたま僕が健康で体が動いて文章を書くのが好きで、ある程度若くてニートとか働くことについて考えていて、それを出版してもいいという人に出会って、という全ての要素の結節点に偶然僕が立っていたというだけにすぎない。

pha. ニートの歩き方 お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.2648-2651). Kindle 版.

これって縁起そのもの。ブッダが瞑想を通じて見切った現実は、縁と条件があってものごとが生起する、その繰り返しから成っているという。

小池龍之介(空朴)師も『解脱寸前』で、あらゆる思考、感情は「自分の意思で」生み出していると勘違いしているだけで、例外なく縁起によって自動生成されているだけだと説いています。

この事実は瞑想して体感しないと納得できないものです。ヴァイオリン骨体操でも「まるで誰かに動かされているかのような受け身の動き」をするよう指導されます。自分が、というこわばった意識が抜けると、身体が自動的に最適解を導き出してくれるのです。

この考えを日常で実践するには、phaさんのように「毎日なんの予定もなく、起きた時にその日やることを考える」という暮らし方が必要になってきます。決まった時間に出勤、通学することを余儀なくされる生活では、「頑張って」起きたり行動したりしなくてはいけないから。すると心と身体がこわばり、人にも自分にも優しくできないようになってきます。「自分が自分の意思で行動しているっ」という意識が傲慢な性格を増長させていきます。

シェアハウスのように所有の概念から離れるというのも仏道的ですね。「だるい(phaさんの口癖)」という体感を見逃さずにいるというのも、言葉ツラでは仏道と相反するようですが、実は通じているように思います。

瞑想では普段忙しく立ち働いている時には感じ取ることができない身体の微細な感覚を観察します。ニートは活動量が一般的社会人より著しく小さいために、瞑想している時のように自分の感じている感覚に気付きやすいのではないでしょうか。松村潔先生の「暇になればなるほど宇宙(=身体)と繋がりやすくなる」という話とも似ているような。ニートと瞑想修行者は、体面を気にしてやりたくもないことをやり、じぶんが我慢してやっていることをやっていない人がいると非難するという循環から抜け出(ようとし)ている、という点が似ていると思うのです。

phaさんがブログで紹介していた小飼弾さんの本。ここにもなんと仏教者の名が出てきました。瞑想実践者にはおなじみ、スマナサーラ長老との対談が収録されているそうです。

スマナサーラ長老の著書一覧は、こちら 

そしてもっと面白いことに、phaさんの推奨するプログラミング習得について以前から興味があったので調べてみたら、プログラマー(Hacker)と瞑想にも親和性があるらしい。(pha氏はプログラマーでもあります)
『ニートの歩き方』に紹介されていた山形浩生さん(@hiyori13)のHPに「ハッカーになろう」という米国人プログラマー、エリック・レイモンド氏の文書が翻訳、掲載されているのですが、ハッキングの真髄に通じるものとして、なんと瞑想的訓練が挙げられていました。

ハッカースタイルの要点

もう一度いいますが、ハッカーになるためにはハッカー精神を身につけなければなりません。コンピュータの前にすわっていない時にもハッカーになるのに役立つことがいくつかあります。以下にあげることは、ハッキングそのものの代わりにはなりません(そんなものはあるわけがない)。でも多くのハッカーは以下のようなことをやっていますし、それがハッキングの真髄に本質的に通じるものがあると感じています。

・母語できちんと文が書けるようになること(わたしが知っている最高の連中を含め、ハッカーの驚くほど多くは物書きとしても有能です)。

・SF を読むこと。SF 大会に参加すること(ハッカーやハッカーの卵たちに出会ういい方法です)。

・格闘技を学ぶこと。格闘技に必要な精神的な規律は深いところでハッカー精神と共通しているようです。ハッカーたちの間で最も人気があるのは、まちがいなくアジアの素手による格闘技、たとえばテコンドー、各種の空手、カンフー、合気道、柔術などです。西洋のフェンシングやアジアの剣道も、かなりの支持者がいます。合法な地域では、1990 年代末以来、拳銃射撃も人気が出てきました。最もハッカー的な格闘技は、精神的な規律とリラックスした注意力とコントロールを重視し、力任せや運動や肉体的なタフさに過度の重きを置きません。

本当の瞑想的な訓練を受けること。ハッカーたちの永遠のお気に入りは禅です(重要な点として、信仰に入ったりいまの宗教を捨てたりしなくても、禅の恩恵は受けられるのです)。他の様式もいけるかもしれませんが、得体の知れないことを信じ込ませるようなものは避けましょう。

・音楽を分析的に聞く耳を鍛えること。一風変わった音楽がわかるようになること。なにか楽器を上手に演奏したり、歌が歌えるようになること。

・だじゃれや言葉あそびへの理解を深めること。

これらのうち、すでにやっていることが多ければ多いほど、あなたのハッカー的資質も高いはずです。なぜよりによってこういう事柄なのかは、まだ完全には明らかではないのですが、いずれも右脳能力と左脳能力の組み合わせという点で結びついています。どうもこれが重要らしいのです(ハッカーは、論理的に理屈づけると同時に、問題の理屈の外へ一瞬で踏み出す能力が必要なのです)。

遊びと同じくらい熱心に働き、働くのと同じくらい熱心に遊びましょう。

エリック・レイモンド著「ハッカーになろう」山形浩生ら翻訳より。下線はぼびおが追加。

以前からプログラミングには関心があったけど、このリストを見てやっぱりやってみたい!と思いました。リストのほとんどに当てはまっていたし。自発的に何かしたいと思えることって数少ないので、挑戦する価値はありそうです。

というわけで、まずはプログラミング入門書を読もうと、芋づる式にキンドル本を購入。

続けられそうなら経過報告します。 翻訳の仕事は(再開したばっかりでなんですが)できればやめたい。占星術的には進行の太陽が牡羊座春分点に突入する2020年にはガラリと生き方を変えると思います。

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